【インタビュー編集後記】      管理職が闇落ちしても報われるには

こんにちは。Nurture&Matureの飯沼美絵です。

最後のブログから1ヶ月以上が経ってしまいました。鎌倉殿の13人も、昨日でついに最終回1回を残すところとなりました。

この間、インタビューの後編に取りかかり、ようやく完結しました!

もともとインタビュー関連のプロでもないので、かなり試行錯誤しました・・汗。インタビューの全編は1回で実施したのですが、1時間半近く話されている内容でしたので、その中からどういう箇所を抜粋してわかりやすくお伝えするかな~・・・と。

もうね、お二人の話が良いものばかりで、世の管理職さんが聞いたら喜ぶだろうな~と思うような箇所がたくさんありすぎて・・笑

9月20日のブログでもご紹介しましたが、このインタビューに登場するみなさんは私の同僚でもあります。ですので、私自身の思い入れもありますし、偏った見方になってないかな?とも思い何度も読み返し・・。
それでも2on1を信じてやってくださって、「いい!」と思ってくださっている様子をお届けしたい!と強く思い、お届けできたのではないかと思います。ぜひぜひぜひ!!読んでくださいね~。

前編: https://nurture-and-mature.com/interview01-1/ (世の中の1on1は上司自身を大事にしなさすぎる!!)

後編: https://nurture-and-mature.com/interview01-2/  (わからないと思うから、一回ダマされたと思ってやってみて!

 

そもそも私が2on1を思いついて、やろうと思ったのは私自身が関係性を作ることが不得意だったから、でした。 (いや、今もかな?)

もともと子供の頃から白黒つけたがるところがあって、ふんわりした関係性というのがあまり理解できなかったと思います。家族でも友達でもない人(相手はどう思っているかわかりません)がちょっと自分に良いことをしてくれると、なんでこの人こんな親切にしてくれんのやろ??何か裏あるんちゃうか?みたいな。

特にサラリーマンで管理職の時代はこの傾向が顕著でした。

これは私の育ちも大いに影響していると思います。私の家族、親族は“子供は末席、食事もお風呂も家では一番最後”、みたいな、昔の日本の家族感が強い家庭で育ちました。働いていない人間は家族の中であまり良い思いをするべきではない。という。

私の子供時代は70年代後半~80年代。今書いていてもちょっとヘンに思いますが、すでに高度経済成長も終わって、一般家庭は戦後と違ってある程度の安全の中で過ごせているはずですが、家族のフォーマットだけは何というか、衣食住が安定していない時代のものなんじゃないかなぁと思ってしまいますね。ま、こんなちぐはぐは常かもしれません。

ですので、私が若い頃に学んだ関係性というのは、相手や自分にどれだけ物質的な豊かさをもたらすかで決められるものだったように思います。会社での中間管理職上の関係性は、最初はこれでも十分機能しますし、私の上司からは誉められさえしました・・・。しかし、そもそもの人間としての絆がその分希薄になり、疲れてしまいました。そして私は自分で部下たちと繋がるすべをしりませんでした。ここから本当に本当に、疲弊していったのです・・・・。

ちょっと話は変わりますけど、(というか戻りますけど、)昨晩は鎌倉殿の13人のラスト2話目の回でした。
以前、頼朝と義経の仲介について書きましたが、話はどーんどん進んで、最後はもう北条の一人勝ち状態。あまり世間には知られていない北条義時が完全に実権を握り、ここ数回はやりたい放題のご様子・・・。

とはいえ、表向きはもとの同僚たちを躊躇なく粛清している様子に見えて、たまに垣間見せる苦痛の表情に、視聴者たちは複雑な思いで観ていたと思います。
そこにきて、昨日は後鳥羽上皇が、“義時を追討しろ”という院宣を御家人たちへ出した回でした。これまでも上皇さんから義時さんへの嫌がらせとしていくつかちょっかいを出されていたのですが、それまでは義時さんも意地の張り合いで終わっていた感じでした。

そしていよいよ昨日は、上皇さんが“本気で怒ってるよ~。言うこときかないと鎌倉攻めちゃうよ~”と言ってきた回でした。

ああもう、小競り合いで済まないんだと悟った義時さん。
これまでは板東内の御家人同士の争いでしたが、源平以来の日本中を巻き込む合戦になると考えた義時さん。

「じゃ自分が死んで首を差し出します、さよなら。」と、あっさりそんなことを言って、身内中を戸惑わせます。

最初から観ていた人ならわかると思いますが、義時さんの若い時は、実に関係性を調整するのが上手な“気配りの人”でした。
彼がトップではなくて頼朝の右腕だったから、という環境の違いもあると思います。
ある意味、人はこれだけ良くも悪くも変わることが出来るんだ、ということを三谷さんがものすごい説得力で描ききってくださったと思います。

ここから私たちは何を学べるでしょうか?・・・私なりにあげてみます。

1つは、資質としてどんなに優れた人間関係調整力を持っていても、目的が変わると全く別人のように見える、ということかなと思います。

私は、彼の晩年の上位資質が変わったということではなくて、これらがダークサイド側に使われた、という見方をしています。例えばどんなに人の感情を感じ取るセンサーが高かったとしても、それらが本人や関係者を思いやる方向に使われるか、予測してコントロールする方向へ使われるかで、結果は大きく変わりますし、周囲からのその人への見方は大きく変わります。

私たちは政治家や上司を見るとき、何かしらのスキャンダルや失敗を通して“あの人はリーダーになるべき資質がない”ということを言いがちです。もちろんそれが十分当てはまるケースもあると思いますが、今回の大河ドラマを通じて、

 「人は環境で変わりうる。
そしてそれは、その人自身ではどうにもならないほどの、
“ぐちゃぐちゃの行動や関係性”を生み出してしまう」

ということがいえるのではないでしょうか。

生真面目な人ほど、自分の持っているものをねじ曲げてまで求められている役割を果たそうと頑張りすぎてしまう。
私も義時くんのように、もともとはもっと人と心を通わせたいと思っていたと思いますが、外側の環境により自分を抑圧しすぎて疲弊しました。(生真面目さでは負けてないと思いますけど笑。)

結果、義時くんも私も、“自分を犠牲にする”、という選択肢しかなくなっていました。

こんなの悲しすぎません??でもね、今の管理職への外側の環境は、この状況を加速させることばかり起こっているような気がするんですよ。
自分がもっと頑張るしかない、と。

でね、この大河ドラマから言えると思う、もう1つのこと。それは、
「見ていて関わってくれる人がいれば、悪循環のループを絶てる」ということ。

大河ドラマでは有名な政子さんの演説が、どんなふうに描かれるのかというところも、見所の1つでした。

彼女の演説は、「うちの弟(義時)いろいろヒドいことやらかしたから、みんな恨みあるよね、そりゃしょうがない。でも生真面目すぎてこうなっちゃったんよ。だけど、上皇さんが攻めてくるって言う。今は鎌倉を守る必要があるときだよ!みんなで一致団結して西の支配をつっぱねようぜ!」
かいつまんで言うとこんな感じのことでした(こんな軽くないけど)。 そこに、弟、妹、息子も義時くんを擁護する言葉をかけていきます。

これには義時くんも号泣でした。ご家族の絆が彼を見捨てませんでした。彼が、肉体的にも魂においても救われた瞬間でした。
現代では家族というのは難しいところもありますが、だからこそ2on1という、介入し、見守る制度が必要だと思っているのです。

本当に、組織を守ることは大変な仕事なんです。救われずにダークサイドでやっている人はたくさんいると思います。うっかりハラスメントに走ってしまうことも、それはもちろんいけないのだけど、他に自分も周りも救うすべを知らなくて、自分を犠牲にしすぎて暴走してしまった結果かもしれません。もちろん行きすぎた行為は強制力で止めてあげないといけませんが。

行動はどうあれ、あなたの周りにも、必ず義時くんみたいにギリギリまで自分を二の次にして頑張ってくれているリーダーさんがいると思います。ドラマ中、義時くんがこんなことを言います。
「伊豆の小さな豪族の小せがれが、清盛、義経、頼朝と肩を並べた。面白き人生でございました。」と。つまり最初から狙ったわけじゃなくてやってきたらこのポジションになってた、ということ。もとはあなたと同じ普通の生き方をしていた人が、ある日抜擢されてリーダーになって、どんどん責任が重くなる。あなたの側の頑張っているリーダーさんはもとはあなたと同じルーツかもしれません。

そんな人達に一人でも多く2on1が届きますようにと願っています。一人でも多くの方の頑張りが報われますように。
そして、私の周りの2on1を受けた方々が今、どのような感想や考えや関係性になっているかは、ぜひインタビュー本編をご覧くださいね。
では、また~。

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