関係性を観戦したり応援したりする

こんにちは。Nurture&Matureの飯沼美絵です。
明日は節分です。
明後日から立春で、“季節が分かれる”という意味みたいですね。
つまり明日が冬の最後の日。・・・冬の最後の日だって!
“最後の1つです“、的なものって何かセンチメンタリズムを思い起こさせる感じがありませんか?笑
その瞬間を逃したくない、というような“今をしっかり味わいたい”、そんな気分にさせられます。

そして特に私はやっぱり、1on1の場に立ち会って、2on1コーチとして過ごしている時間は本当に大好きな時間です。

今はまだ、一部の人にしかこの価値をお届けできていないし、
一緒にその素晴らしさを味わっているのはごく一部の方々だけなので、
心から、もっとたくさんの方とこの時間の感動を味わいたいなと思っているのです!!

なんでこんな好きなんだろうと、先日しみじみ考えてみました。

タレントの有吉さんがTVでやっている、“有吉ぃぃeeeee!”って知ってます?
最近流行のeスポーツ。
オンラインゲームなど電子機器を使ってゲームをしている人たちの様子を一緒に観戦するってやつです。
まさに2on1はそんな感覚だなって思っています。
特にeスポーツのサッカーゲームなんかは、ゲームに参加する人数が多いので、いろんな人がいろんなことを言いながらゲームをしているのを見るのが楽しいです。

普通の生身の人がやっているのと何が違うのか?
確かにワールドカップとか、生の人が凄いプレーをしているのを見るのも楽しいのですが、 eスポーツの楽しさは、
実際にプレーしている人と、その時のファインプレーの感動や、ポンコツな笑っちゃうプレーも、その時にその当事者達とその瞬間に楽しめる、
これが大きな違いだと思います。

これが実際の生身の人の試合だと、終了後にインタビューしたり、番組に出たりして回想しながら共有する、というスタイルですよね。

でもねー、
例えばサッカーだと、もうあとはロスタイムだけで、1-0で推しのチームが負けているという状況で、
見事にロスタイムに同点に追いついた~~~!!!!!

って時に、選手達はめっちゃ抱き合ったりハイタッチしたり、点を取った選手がもみくちゃにされたりしますよね。
この“凄い凄い!!”って感覚は、画面の向こうから観ているだけだと、どうしてももどかしかったりするんですよね。

eスポーツ(有吉さんの番組独特なんでしょうか?)は、狙い通りにパスとかゴールして入ったり、“あ、蹴ったら入っちゃった~”という感じだったり、
そんなところまでリアルにプレイヤーの気持ちが、その瞬間に共有されるのが面白いんですよね。
2on1もまさにそうで。
“あ、私のコーチとしての立場は観戦者としての楽しみ方も備えているな~”って思ったんです。

ある面白いケースがありました。(その方とわからないように大事なところはそのままで、一部変えてお伝えします。)
ある男性上司Aと、女性部下Bのケースで、上司は部長でした。
その女性の部下さんは、2on1の中で、男性課長さんCに対するマネジメントの不満を話されました。

私は、だいたいスタート時はよほど話が進まなかったり、噛み合わなかったりしなければ介入しないことにしています。
何をしているかというと、お互いの方の表情や仕草をよく観察するようにしています。

このときは、その女性部下Bさんが夢中になって話しているのですが、上司Aさんは、普段の朗らかなお顔がみるみるうちに硬直して行くのを観ていました。
Aさんはあんまり前向きにBさんの話を受けとっていないんだろうな、という想像をしながらそのまま聞いていました。

ちょっと脱線しますが、2on1てね、最近わかってきて心がけていることがあるのですが、
介入者である私が、その場の話から、芸人みたいにリアクションを大きくやってしまうと、その場の雰囲気を先導してしまうなって思っています。
だから、できるだけリアクションをしないように心がけています。
普段、比較的表情が乏しいほうで、通常のコーチングなどは意識的にリアクションするようにしているのですが、
2on1においてはこの私の才能(?)が役に立っていると思います。笑
あとは、だいたい1時間の時間の中で、後半に何かお互いの心が動いて笑ったり深く頷き合ったりしている様子を見たときに、
敢えて同じ行動を取るときがあります。
観戦者としての私がする行動というのは意外に当事者のお二人の目に入っていて、その場の雰囲気を更に強める働きがあると思っています。
(間違ってもここでしかめっ面したり、変顔をして、場と違う行動はいけません。そっちに気を取られてしまって集中力を削いでしまうので。)

その場に今何が必要なのか?私が存在を消すことか、サポーターとしての存在なのか、そんなことを無意識にやっています。
2on1自体が私の発明なので、何が良いのかは引き続き探求する楽しみがあると思っています。

話は戻って、AさんBさんの話です。
ここからどうなったと思いますか?

よくあるケースなのですが、どちらかが心情的に不快な感覚を味わっているときには、そこから逃れようとする力が働きます。
このとき次に起こったのは上司のAさんがBさんに
「そんなにコミュニケーションがうまくいってないなら、その人に話しておくから、話し合ったらいいんじゃないか」ということをおっしゃいました。
するとBさん、
「はい・・・まああの、話し・・・したとして・・・でも・・・」
こんな感じの返答になりました。ちなみに声も小さく、お顔は下を向きながら・・・・

いかがでしょう?何が起こっているんでしょう?

こんなとき、1on1だとご自身達の“ちょっとヘンな”様子に気がつけないことが多いので、このまま進むことが多いですよね。
この情報からみなさん何を読み取りますか?
みなさんならどうやって仲介しますか?

お互いに何やら相手の言葉(もしかすると相手のヘンな仕草や表情なども)から不快なものを感じて、つまり自分の欲しい相手のリアクションではなかったことで、歩み寄る方法がわからず、お見合い状態になっている、そんなふうに私は観ました。
eスポーツだと、ちょっとした混戦状態です。
反対側のスペースががら空きだったり、手を挙げてパスを待っている人に気がつかない状態、に似ているかもしれません。

こうなると、私は観戦者からちょっと帽子を被りかえて、監督の帽子で登場します。
「あのぉ~、ちょっといいですかね~」と声をかけます。ゲームで言うところの、“タイム”に当たるかもしれません。

「どうもお二人ともやりとりがスムーズじゃないみたいなんですけど~いかがですかぁ~?」
こんなふうに、そーっと入ります。
そこでそれぞれ、ハッとしたり、苦笑いしたりして、何かに夢中になっていたところから一瞬抜けます。

みなさんも過去、そんなつもりではなかったのに、誰かとの会話ですれ違ってしまって、誤解が解けないまま仲違いしてしまった、という記憶はないでしょうか。
本当なら、その時、「ちょっと深呼吸しようか」とどちらかが言ってくれたら、「お互いちょっと言い合いに夢中になっちゃってたね」って言えて、普通の意識状態に戻って、仲違いすることなく対話を終了できた、かもしれませんよね。

これがなかなか、、、2人きりだと難しいんですよ!
2on1の醍醐味ってココなんですよ!!ね?? 何度でも言いますよ~。
1on1はスキルがないから良い時間にならない、んじゃなくて、一生懸命に話そうとすると、割とこのようなケースになるのです。
だから頑張っている1on1の上司さん、安心して!!
これ、セルフで2役やるの難しいんですよ~!!

相手にも、自分にもちゃんと向き合ってやろうとしている人ほど、実はドツボるのかもしれません。
だからいつでも1on1に呼んでくださいね!!!

で、戻りますが私がこのとき、この介入をしたことで、上司Aさんは笑い出しました。
「君さぁ、まーた、オレとは違うヤツのこと話して・・・。前回も別の人の話だったよねぇ?たまにはオレのことも相手にしてくれよぉ!!」
なんて素敵なウィットな切り返し~。その場の3人同時に大笑いしてしまいまいた。

その後はどうなったと思いますか?
ひとしきり笑った後は、部下Bさんから、直接聞けなかったAさんへの質問が出てきて、ようやくAさんにもいつもの表情が戻りました。

こんなふうに、本当は聞きたいことがあるのに、別の言葉が語られたことで誤解が生じて、誤解をそのまま放置しておくとどんどんこじれてしまうことって、実は巷でたくさんあるのではないかと思うのです。
だからこそ、途中でできるだけ、「本当はどうなの?」ということが出せるように介入を試みることが2on1コーチの役割だと思っています。
仮にお二人の内の一人が、あからさまに“けんか腰”でいるときでさえも、その人の相手への願いがあるのです。
ただ、そのままだと相手は受け取りづらいので、受け取れるように、その場の智慧を使って一番良い方法で介入していく・・・。
これが今のところ、Nurture&Matureの2on1の軸になっています。

さぁ、明後日から春!寒いかもしれないけど、春!笑
人との関係は必ず季節のように巡る、というのがプロセスワークの考え方です。恋もそうですよね。
あなたの身近に冬のようだと思っている関係性はありますか?
春の美味しいお菓子を持って、尋ねていったら意外にも春を迎えるかもしれませんね。
皆様の元に、たくさんの花や笑顔のほころぶ日々が来ますように!!

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