ストレングスファインダーのつよみ使い、よわみ使いはただの主観です

こんにちは、Nurture&Matureの飯沼美絵です。

年が明けました。今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

さて年初の最初もまた、ストレングスファインダーの投稿です。

昨年は、ストレングスファインダーとプロセスワークを掛け合わせた対話実践会を、0期~4期まで通算5期分やらせてもらいました。

1期分を4回と、コンパクトに参加に負担がないようにしているので、1期分の参加者を最大6人と、小規模でやってはいますが、

これだけは尽きることなく、お誘いすると多くの方が興味を持って参加してくださいました。

本当に、ありがとうございます。

ストレングスファインダーにプロセスワークの視点を入れることは、長年、私がやりたかったことでした。

ストレングスファインダーとプロセスワークの特徴は、何度かちょこちょこお伝えしていますが、かなり対極にあるような学問、ツール領域です。

ストレングスファインダーは科学的根拠がはっきりしていて、ビジネス上で成果を出すために使うことがメイン。

プロセスワークはかなり抽象度が高く、量子物理学や合気道のような東洋思想の要素を取り入れていて、世の中の万事はコントロールするものではなく、そのもの自体が変化していくプロセスと共に自分自身もプロセスに従う、というような考え方です。

他方、現実や自然界は全方位だと思うのです。科学も、抽象も、存在している。

だから、あるものが特徴的であるほど、もう一方の極のような特徴を補完してあげると、現実世界にとってとてもパワフルになる。

ストレングスファインダーは人間が言葉を使って人の営みを理解するために、これまでとても貢献され、わかりやすく考えられたツールだと思います。

だからこそ、便利だけど誤解を生むことも多いので、そこに繊細さを足す必要があります。

ストレングスの資質の作用は普遍的に語られますが、プロセスワークは時と場合に応じた柔軟性がとても得意。

同じ、戦略性でも、相手が誰かによって全く作用が変わる。

使い方としては、自分も嬉しいし、相手もありがたい、これがとても良いけれど。

自分は自分と相手にとってこの使い方が良いと思っていても、相手が例えば対極の性質をもつような調和性や規律性などが上位資質ならば、こちらが良いと思っている価値観は相手には居心地の悪いものになったりする。

今日のタイトルとしました、

「ストレングスファインダーのつよみ使い、よわみ使いはただの主観です」

という話です。かなり攻めた内容ですね・・・。

よく、資質に関する説明でつよみ使いとよわみ使いという説明を目にします。

全部が当たっていなくはないでしょうが、誰といるのか、どんな場にいるのか、どういう影響を受けているのか、

こういうことを考慮しなければ、その人にとっての真実のつよみ使いは実現しないと思います。

上位資質によるその人の価値観の前提があるということが、あまり一般的になっていないように思います。

資質のつよみ使いやよわみ使いとう文章に出会ったら、自分や他者の内面にある資質そのものと同じではないと理解する必要があります。

続けている対話実践でこんなことがありました。

最近では私自身が最終回には、対話者であり、対話を促進するファシリテーターを兼任して実施する回を作っています。

やっぱりよく出てくるのがみんなからの戦略性への興味と、対話するお相手は、その対極として調和性。

戦略性が1位である私は、自分の意見をもつことだったり、他者からの意見を引き出すことだったり、

そうすることでたくさんの選択肢が集まることをとても重視している。

新卒の頃から先輩や上司たちに、「あなたはどうしたいのか?」「若くても自分の意見を持つことが大事」と何度も言われてきたのと、

カウンセラー資格を持っていることもあって、相手の考えをきくことがとても大事、という前提を持っている私。

慎重さという上位資質も、相手を知りたい、知る必要がある、という価値観に根ざしていると思います。

そういう前提があるんだ、っていうことをようやくようやく、、、身体の中心で理解しました。頭だけではなくて。

調和性上位の人に、言われたのは、

「自分の意見を言うことが苦痛」だと。

以前の私ならば、自分の意見を考えつかないし、言えないなんて、なんて未熟で浅はかなんだろう、って思っていました。

相手にとっての資質の自然な作用を信じられなかった。それはよわみづかいだろう、と思い込んでいました。

調和性上位の人側から見れば、戦略性がつよみ使いと信じているたくさん選択肢を出していく、というのはピンと来ないことでしょうね。

下手すると脅威と感じているかもしれません。

こんなふうに、何がその2人の間柄や、3人以上の場にとってよいものなのか、個人ではそもそも違うからこそ、新しい第三の価値観を生み出す必要があると思うのです。

自分がわからない他者の上位資質の自然な作用を、よわみ使いと決めつけがちだし、当人はそれが心地よく、つよみ使いだと思っていても、こちら側はよわみ使いだと思う。

こんなふうに、何をよしとするかは人それぞれ。

私が調和性のその自然な作用、プロセスを信じることができたのは、資質ではなくて、生身の目の前の相手と信頼関係があったからだと思います。

この人は本当に、自分を出さないことを、使命としてやっているんだ、ということを、信じられた。

責任感のつよみ使いが「約束を守る」と書かれていることに対し、自分はそこにつよみ(価値)を持っていたとしても、

自分の外側の世界を信じるために、約束を守らないことが悪であり、よわみであると切り捨てるのはあまりにもったいない。

私の友人たちは、約束を守ること以上にその人にとって大事なことを引き受けて日々を生きている。私はそれを信じられるようになりました。

同じようなプログラムで、職場のグループコーチングをやらせてもらったときに、その場の全員に同じようなハッとする体験が起こりました。
※クライアントさんが特定されないように、部分的に変えてお伝えします。

ある7人グループの職場の同僚同士。

圧倒的に人間関係構築力を上位に持つ人が多く、かつ、その中のリーダー的立ち位置の人は、男性で言葉も巧みで、人を引きつける要素を持っている人。

方や、そのリーダー的存在と折り合いが合わないのは、女性で若く、戦略志向力が上位に多いタイプ。
どうも、堅物で、わかりづらくて、彼らのフワッと雰囲気で進めるようなところが気に入らない。

それなりに頭が切れるので、重宝されるけど、輪の中では浮いている存在。
ただ、こちらの方の存在感が強いのは、会社の創業一家の娘さんであること。

こういった複雑な人間関係のバランスの中で、何が資質としてパワーを放つのか、想像できるでしょうか?

「教科書に書いてある資質のつよみ使いに光を当てて育てる」、それだけではチームはうまく機能しません。

プロセスワークでは、グループの中での主流派、少数派、という見立てを大事にします。

私がみた限り、その場では「人間関係構築力」の資質の性質が大勢のムードを作っていて、それに近いアイデンティティを持っている人が居場所を獲得しているように見えました。

つまり、この感覚が主流派です。

他方、「仲良く?なにそれ」「いいから、仕事しようよ」

こんなことを思う、戦略志向力や実行力を好む人々の居場所はそこにはしっかり確保されず、いつも居心地が悪い。

これが少数派です。

この構造をチームメンバーが自覚していないと、無自覚に人間関係構築力の資質だけを重用し、他の性質のものを追い出し、活躍できないようにしてしまうのです。

更にタチが悪いことに、主流派はその特権に気がつきづらい。

上司向けのコーチングなどで、なかなか育たない部下のことを語るとき、上司のものの見方を指導するコーチはいるでしょうが、2人以外の関係性についてしっかり聴き取るコーチはどれほどいるでしょうか。

もしこのケースのようなグループの関係性がある場合は、どれだけ上司が部下の上位資質へ理解を示したとしても、他のグループメンバーが上司と似たような上位資質だったときは、なかなか部下の上位資質を発揮させるのは困難になるのです。

プロセスワークを絡ませるのはこれが理由です。

また、この主流派、少数派は、場所によっても変わるため、

普段はグループのリーダー的存在である男性が、創業者である年上の女性たちの中で会議するときには本当に居心地が悪いと、そんな話をしてくれました。

よわみとは、個人が作り出すものではなく、大抵の場合、他者の影響から作り出されるものなのかもしれません。

だからこそ、つよみも、よわみも両方見ていく必要があるのです。

決して、よわみを見るのは克服するためではありません。自分のも他人のも、本来のつよみ使いを心底理解するためです。

今回の職場の同僚同士で実施したグループコーチングのアンケートで、ある参加者の方がこういうことを言っていました。

『互いの本音を吐き出し、それを受け入れた上で互いの弱みと強みを共有する事がこれ程互いにとって心地良い思いになるのか…』

私は2024年の年末になるまで、少なくともこの言葉は本の中でしか出会いませんでした。

私にとって、夢みたいな言葉です。

年始からも戦争、災害、犯罪や病気が絶えませんが、個人だけではなく人同士の力で夢のような世界を実現する術はまだ残されているようです。

※ストレングスファインダー×プロセスワークのサービスについては、ご要望に応じてカスタマイズします。どうぞ、お気軽にご相談くださいね。

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